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ローヤルゼリーの不思議

ミツバチはなぜローヤルゼリーを作るのか

ローヤルゼリーはミツバチによって生成される食品で、その栄養の豊富さから、健康食品やサプリメントとして注目を集めています。
ではなぜミツバチがローヤルゼリーを作るかというと、ローヤルゼリーを女王蜂の餌として利用するためです。
働き蜂は、巣の外で花粉や花の蜜を集めるグループと、巣の中で女王蜂の世話などをするグループに分かれます。
外グループの蜂が花粉や花の蜜を巣に運び込むと、内グループの蜂がそれらを食べ、一度体内に取り込みます。
そして花粉と花の蜜、自らが分泌する脂肪酸やタンパク成分を合成し、ローヤルゼリーを生成するのです。

ローヤルゼリーの生成は、細胞の働きが活発で代謝のいい、若い蜂によって行われます。
体内での合成が終わると、唾液腺などからクリーム状のローヤルゼリーを体外に放出し、女王蜂や女王蜂の幼虫へと供給していきます。
女王蜂となる幼虫は、卵~孵化する瞬間まで、他の多くの幼虫たちと差別化できる要素はもっていません。
しかし蜂の巣には王台という、女王蜂の幼虫を育てるための特別室があり、そこに産み付けられた卵は孵化した瞬間から女王蜂として扱われるのです。
そのため、他の幼虫がワーカーゼリーという餌を与えられている横で、ローヤルゼリーからたっぷりと栄養を摂取していきます。

女王蜂は女王蜂として生まれてくるのではなく、ローヤルゼリーによって女王蜂へと育てられていくのです。
女王蜂は死を迎えるまで、ローヤルゼリーのみを糧として生きます。
他の働き蜂たちがローヤルゼリーを摂取することはありません。

栄養の塊であるローヤルゼリーで育てられた女王蜂は、体の大きさが通常の働き蜂の1.5から3倍。
寿命は30から40倍にもなります。
そして雌の中で唯一、産卵のできる個体となるのです。
羽化から7日程度で交尾と産卵が可能になり、1日2000個ほどの卵を産んで繁殖を繰り返していきます。
この産卵のできる体や、長い寿命は、全てローヤルゼリーによって作られています。
ミツバチたちは、強く繁殖力に優れた女王蜂を育て、存在させるために、ローヤルゼリーを生成しているのです。