ローヤルゼリー?ロイヤルゼリー?
ローヤルゼリーとロイヤルゼリーは非常に似た響きですが、どちらが正しいかといえば、どちらも正しいです。
ローヤル/ロイヤルゼリーは「Royal jelly」と書きます。
このRoyal をローヤルと読むかロイヤルと読むか。
違いはその発音だけです。
ですからローヤルゼリーもロイヤルゼリーも正解であり、二つに差はないのです。
Royal は国王/女王の、王室の、といった意味です。
イギリスの皇室の方々をロイヤルファミリーとよびますが、それがこのRoyal です。
それではなぜローヤルゼリーにこういった名前がついたかといえば、ローヤルゼリーが本来、女王蜂のために作られるものだからです。
蜂の巣には「王台」という巣穴が作られており、王台の中で孵化した幼虫が、次の女王蜂として育てられていきます。
後に女王蜂となる幼虫と、働き蜂となる幼虫に、体の構造や遺伝子・血筋などといった差は一切ありません。
孵化した時点での決定的な違いは、王台にいたかどうかのみです。
働き蜂の幼虫は孵化してから3日間、ワーカーゼリーという食料を食べて生きます。
そして4日目からは花の蜜などを食べるようになるのです。
しかし女王蜂の幼虫は、孵化した直後から栄養満点のローヤルゼリーを摂取します。
成虫になってからもローヤルゼリーだけを糧とします。
ローヤルゼリーは、花の蜜や花粉を働き蜂が一旦体内に取り込み、分解や合成を行って生成されます。
唾液腺などから体外に出され、女王蜂が幼虫なら王台に、女王蜂が成虫になれば口移しで供給されます。
女王蜂は元々、何の変哲もない幼虫ですが、女王蜂にだけ与えられるローヤルゼリーを食べ続けて、女王蜂へと変化していきます。
体は働き蜂の1.5~3倍、寿命は30~40倍にもなり数年間生きます。
そして最大の特徴として、他の雌蜂にはできない産卵を行うようになります。
季節や状況にもよりますが、女王蜂は平均して1日1500~2000個の卵を産み続けます。
女王蜂の産卵できる構造や強い体は、ローヤルゼリーによって作られ、そのエネルギー源になるのもローヤルゼリーです。
まさにローヤルゼリーは女王蜂だけのために存在する食糧なのです。
ですからRoyal という名前にも納得できます。
また、混同されがちなはちみつとローヤルゼリーの違いについても参考にご覧ください。