ミツバチ以外のハチもローヤルゼリーを作るの?
ローヤルゼリーを作る蜂として「ミツバチ」が紹介されることは多いですが、それではミツバチ以外のハチはローヤルゼリーを作らないのでしょうか。
大雑把にいうと養蜂場でローヤルゼリーを作るのはミツバチです。
そしてミツバチ以外のハチがローヤルゼリーを作る可能性はゼロではりませんが、サプリメントや健康食品として製品になるのはミツバチのローヤルゼリーです。
まずローヤルゼリーの原料になるのは花粉や花の蜜なので、ローヤルゼリーを作るのは、蜜の採集を行う植食タイプのハチに限られます。
ですのでスズメバチなどの肉食のハチはローヤルゼリーを作らないのです。
スズメバチは花の蜜なども食料にすることは分かっていますが、蜜を集めて巣に持ち帰る行動は確認されていません。
しかしローヤルゼリーは女王蜂の食料として生成される物質なので、女王蜂が存在するスズメバチの巣に、ローヤルゼリーに類するものがないとは言い切れません。
ただ肉食のハチがローヤルゼリーを作っていたとして、攻撃的で獰猛な性格は養蜂に向かないため、効率的なゼリーの採取は難しいでしょう。
一方クマバチなどの植食タイプのハチの中でも、ローヤルゼリーを作るとされているのはミツバチのみです。
ミツバチの中の働き蜂は花粉や花の蜜を巣に持ち帰り、それらを材料として体内でローヤルゼリーを合成、分泌して女王蜂へと捧げます。
ローヤルゼリーを食べることによって、ハチの幼虫は女王蜂として成長していきます。
女王蜂と働き蜂は、孵化した幼虫の時点では何の差もありませんが、ローヤルゼリーを食べた幼虫だけが女王蜂となるのです。
ローヤルゼリーは栄養価が非常に高いですが、それだけでは女王蜂として体が変化していくことに説明がつきません。
そのためローヤルゼリーには未知の物質が配合されていると類推されており、ミツバチとその物質が密接に関わっているとも考えられています。
もしそれがミツバチ固有の物質であれば、ローヤルゼリーを作ることができるのは、完全にミツバチだけということになります。
またミツバチは、肉食のハチに比べ攻撃性が低いので、養蜂がしやすいとされています。
そのためもし他のハチがローヤルゼリーを生成できたとしても、効率的なローヤルゼリーの採取は、やはりミツバチに頼ることになるでしょう。